2012年 12月 24日
SONGS 槇原敬之
この番組では、’07、'08年以来で'08年のはチェックしておらず。今回歌ったのは「もう恋なんてしない」「どんなときも。キャラメルVer.」「四つ葉のクローバー」。また、秋深まって紅葉見頃だった埼玉の秩父を、愛犬を連れて散策の様子。
春先に、「春よ、来い」カバー男性シンガー版では、マッキー版が一番印象的、と挙げてたのだったけれど、久方に聞くこの人の歌声はやはり何処かじんわりと丁寧な温かさ。
前回の時、マイベストは「どんなときも。」「スパイ」が双璧と書いてたのだったけれど、今回、黄色が鮮やかなイチョウ並木の元、野外ライブでの「どんなときも。」が、やはり一番インパクト。
今聞いて改めて、まあベタだけれど、そう妙な力みや押し付け感なく、でもさり気なく芯のある人生ソング、という感じ。
12/24追記:この曲についての本人談で、歌手デビューしたものの、上手くいかず、東京に出てきたけれど鳴かず飛ばずて、そういう時赤裸々に自分の人生を書いた、初めての曲、
ただ何か頑張ろうと思って、東京に来て、何か出来ると思ってる人達の感じ、その中でも特に、志半ばで折れていく人や、自分のやりたい事を貫けずに、嘘ついたりして、自分を追い込んでしまう形もよく見るので、
いつか自分の曲で誰かが元気になってくれたらいいな、というのだけは捨てずに、励ます、とかとんでもないけれど、明日もちょっと頑張ってみようかな、みたいな、
「鏡の前笑ってみる まだ平気みたいだよ」なんて、自分の事を歌ってるんだけど、案外自分もそうだったんで、皆もやってみれば?みたいな、ピュアさでいうと、もの凄いピュアな歌詞ですよね、のようなコメント。
彼がいうように、私も東京にやって来た一人、そして20年余り、いまだそういうピュアさに素直に反応出来るか、というと?だし、この人自身、かつて覚醒剤に走ってしまった、という脛に傷のある過去、
でもそういうことを踏まえて、今この人が歌うこういう往年の前向きソング、というのが、別に鼻白み感もなく、当時からそう色褪せることなく聞こえ、受け入れられるというのは、
まあこの人の、ゲイカミングアウトでのある種のピュアさ、とか、ブラウン管から滲み出る人柄ゆえん、だろうか。
そして、他にちょっと興味深かったのが、今回知ったこの人の音楽ルーツ。5才の頃、保育園の先生が弾いてた「エリーゼのために」に強烈に弾かれたようで、ちょっと恋愛に近い感じで、それからピアノに熱中、
小5の時、YMOの音楽を聞いてさらに衝撃を受け、YMOがなければ今の自分はない、と断言。アイドル、先生、憧れの人達で、僕にとってカリスマ、皆が松田聖子ちゃんとか好きだったように、YMOが好きだった、らしく、
中学生になってシンセサイザーを買って、曲作りを始め。高2の時、ラジオ番組「サウンドストリート」に自作の曲を送って、それがパーソナリティだった坂本龍一の耳に留まって、見事オンエアされ、
当時の坂本龍一のコメントが流れて、なかなかよくできてる・・16になりたてくらいで、きちんとできてる・・このままシングル出せちゃう、などと褒めてて、
それについて本人は、仏壇から神様が出てきて、いいよ!と言ってくれた感じで、死んでもいいと思った、と興奮気味に回顧、坂本プロデュースでCD化までされた、というような頭角を現してたのだったけれど、
この人とYMO、坂本龍一、というのも、やや意外と言えば意外な接点。
それでも、そういう才能の裏打ちをされても、そこで、音楽の道に進む、という決断はせず、世間はお受験色濃かった、というのもあったようだけれど、大学に行って音楽を作り続けた、という所も、地に足が着いてた、というか。
この人は途中退学してるけれど、青学の英文科夜学に入ってたのだった、と。20才の時オーディションに合格して上京したらしけれど、
現役で合格して、通信制などで?というのも余り聞かないし、それまで浪人してて、大学とオーディションの合格が同時だったのか。
で、「NG」というシングルを出したけれど、2枚目も共にヒットせず、3枚目の「どんなときも。」でブレイク、という流れだった、と。
最後の「四つ葉のクローバー」の途中でテープ終了、録画が終わってしまってたのですけれど、
「どんなときも。」に至るまでの、色々エピソードや、作った時のリアルタイムの心境、とかも含めて、イチョウ並木の元で歌ったこの曲に、改めて色んな意味でちょっと感慨、という今回でした。
関連サイト:SONGS 第240回 槙原敬之
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