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大島渚監督の訃報

先週大島渚監督の訃報、先日からTVのニュースやワイドショーで、折々葬儀の様子を目にしました。

大島作品には、私は特に、という馴染みもなく、同監督自身についても、TV討論会での論客ぶり、右半身マヒや言語障害に見舞われて、というのはたまに目にしていても、特に思い入れもなく、

追悼、というまでの気持ちにはなれないけれど、今回の報道で少し思う所あったり、近年見てちょっと印象的だった作品が浮かんだりしたので、訃報記事に。

                


「戦場のメリークリスマス」「愛のコリーダ」など、大分前に見たのだけれど、「戦場・・」は、テーマ曲は耳馴染み、でも作品内容の記憶薄れてて、「愛の・・」も薄っすらハードコアシーンが延々、という感触のみ。

最新で見たのは、同監督が手掛けてたTVドキュメンタリー「氷の中の青春」('62)「忘れられた皇軍」('63)。

3年前、近くのホールでのドキュメンタリー・フェスティバルの河瀬直美監督が出演の時、見に行って、内容は河瀬監督が選んだ、この大島2作品の上映+トークショー。

特に、2本目の「忘れられた皇軍」は、日本兵として戦って身体に傷を負った在日韓国人達が補償を求める姿を追った、モノクロのドキュメンタリー。

終盤の、彼らの宴会がヤラセだったらしいことについては、”ドキュメンタリー”自体について思う所もあったりしたのだけれど、

日韓の摩擦を題材にした作品としては、フィクション、ノンフィクション含め、対象の肌身感、など見た中で最もインパクト、この作品の影響もあって、その後裁判、という社会を動かした実際的な影響も目にしたり。

河瀬監督は、「この作品のプロデューサー牛山(純一)氏のような存在がなく、自分単独で、だと、こういう作品を作り発表することで、この方々への一部責任を負い、今後も共に生きる、という覚悟がなければ、私にはこういうものは作れない」、などと語ってたのだったけれど、

時代柄もあってか、ああいうザラッとストレートに対象の主張、感情に肉薄したドキュメンタリーって、ある種の純愛もの同様、今や製作不可能かも、とも思うし、

マイベスト、という訳ではないけれど、やはりこれが一番、記憶にも新しく、インパクト残ってる大島作品かと。



そして今回の訃報報道で、まず目に付いたのは、弔辞を読む坂本龍一。同監督に「戦メリ」に俳優として抜擢され、音楽担当を申し入れたら二つ返事でそれも任された、という所から、自身飛躍のきっかけになった、などと感謝。

式場でも、出棺の時「戦メリ」の曲が流れてて、そう言えば、同監督のオファーがなければ、あの超スタンダード曲自体も生まれなかったのだった、と。

         


そして、参列していたビートたけしがインタビューで、やはり同監督が「戦メリ」に自分を出してくれたお陰で、その後、映画界へ進出のきっかけになった、ような内容の感謝の意を述べ、

俳優として全く未知数だった2人を大抜擢、結果として音楽、映画で、世界の坂本や北野、のルーツ的な存在だった、というのも改めて。



また、今回の報道で、一番印象的だったのは、妻、小山明子の喪主としての、悲しみの中にあって凛とした物腰。

そして、同監督が17年前脳出血で倒れて以来、女優業から引いて、自身介護うつ病に見舞われたりしながらも、介護についての講演、執筆業などしながらずっと闘病生活を支えてたのだった、という経緯。

正直、近年ネット上で垣間見知った映画関係者の、色んな意味で不快、悪寒極まりない公然の不倫沙汰、での先入観もあって、

この大島監督の場合も、「愛のコリーダ」のような作品を扱ってきたイメージも加わって、反射的に、幾ら世界的に著名、社会に問題提起、

2人の息子がいて、などといっても、その実際、一個人としての人となり、価値観、家庭生活、というのも裏側は?と穿ってしまう感覚も。

まあ晩年長期間、健康な状態ではなく、病身となってしまって、身内のケアが必要、という事情もあったかもしれないけれど、

喪主として、という究極の夫の最期の時、「仕事も、家庭人としても夫としても尊敬できた。だからここまで私も頑張ってこれた」などという言葉が、全く波風がなかった、訳でもないかもしれないけれど、

夫婦間の絆というか、同監督の人間性、というのが一部滲み出てるような気がして、ちょっと感慨、という報道でした。

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関連サイト:大島渚さん死去 MSN産経ニュース闘うドキュメンタリー時評 座・高円寺 ドキュメンタリー・フェスティバル<前編> 映画芸術
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by MIEKOMISSLIM | 2013-01-23 23:16 | 映画全般 | Trackback | Comments(0)
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