2013年 07月 15日
ひこうき雲 / 荒井由実(’73)
思春期、「MISSLIM」の次に聞き込んだDNAアルバム、でも時が経って、通しで聞いたのはいつ以来か、「曇り空」サビでユーミン&正隆氏デュエットがあった、とか、
最後の曲「そのまま」の後に、再び「ひこうき雲」一部が流れてフェイドアウト、とか、ああそうだった、という所も。
やはり今回改めて注目の、1曲目「ひこうき雲」、だけれど、19才だった荒井由実が音楽界に打って出たこのアルバムの口火を切るのに相応しい清冽さ。
高1の時亡くなった、小学校の時病気だった同級生をモチーフに創作、エッセイ「ルージュの伝言」で、ユーミンが高3の頃、近くの団地で高校生同士の飛び降り自殺があった、ことも絡めた記述、
「高いあの窓」「あの子は昇っていく」などの歌詞から、自殺の内容?とも言われ、ユーミンは肯定も否定もしてないようだけれど、
スタンダードに、病気で夭逝した死へのエクイエム、あるいは自ら命を絶った若い死へのレクイエム、どちらにしても、無償の慈悲、というか、
多感な少女なりの視線でその命、魂を、一筋のひこうき雲になぞられて、気品漂う斬新なメロディにのせて歌いあげた珠玉曲、と思う。
アルバムそのものも、「ひこうき雲」~不安定な恋の情感「曇り空」~昔ステージでの赤いスーツジャケット姿のユーミン髣髴の「恋のスーパーパラシューター」<→(C)ALFA RECORDS INC,>
~すでに風格、スケール感漂うバラード「空と海の輝きに向けて」~ミラクルな転調のうねり「きっと言える」~少女ユーミンの独自の世界観際立つ「ベルベット・イースター」~牧歌的「紙ヒコーキ」
~永遠のマイベストユーミン曲「雨の街を」~どこか洒脱な「返事はいらない」~思えば直球的ラブソング「そのまま」~「ひこうき雲」
と、やはり全編に当時のユーミンの微妙な感性の震えが痛い程にビンビン漂い、そして最後に再度流れ、それらを締めてた「ひこうき雲」。タイトル曲にしてる、ということからしても、やはりやや別格的存在の曲だったのかも、と今にして。
この曲誕生から40年を経てジブリ新作のテーマ曲に抜擢され、今回の「風立ちぬ」の内容の細かな所は謎、現状判ってる範囲では、この曲は、小説「風立ちぬ」で結核で若くして亡くなった節子へのレクイエム的ニュアンス?という感だけれど、
堀辰雄ともう1人の、主人公のモデル、飛行機設計家堀越二郎の人生、その劇中での描写にも、どうこの曲がリンクしてるのか?興味は尽きず、全ては明日のお楽しみ。
そしてこのアルバム「ひこうき雲」自体が、今回のこともあってジブリとコラボ企画で、<(C)EMI Records Japan>
40周年記念盤、として、今月末DVD+CD、来月LP+DVD+CDセットでリリース、というニュースを見かけ、
どちらも宮崎監督の18枚の絵での絵本仕様、DVDには、砂田麻美という人が監督の「ひこうき雲」ミューッジッククリップ、「ひこうき雲」リミックスバージョン+静止画収録、とあって、
宮崎監督の絵、というのは是非見たいし、ミューッジッククリップは、楽曲「ひこうき雲」1曲分か?アルバムの10曲分あるのか?定かではないけれど、これも見てみたいけれど、前者が6980円、後者が10,500円、
アルバム「ひこうき雲」自体は今CDで手元にあるし、そういう風に、CDかLPで持ってるファンも多いと思うし、正直、絵本とDVDのみセットで、2千円台は無理にしても3千円台位の価格で販売あれば、という気が。
欲しいのはやまやまだけれど、一昨年のツアー「Road Show」は震災直後で見送ったし、そのDVDも未見だし、という所。
まあそれはさておき、とにかく明日の「風立ちぬ」、+「ひこうき雲」が一体どう絡んで、締めるのか、じっくり味わってきたいと思います。
関連サイト:Amazon 「ひこうき雲」、
ユーミン×スタジオジブリ 「40周年記念盤 「ひこうき雲 / 荒井由実」、「風立ちぬ」(ジブリ)公式サイト
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