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バグダッド・カフェ(’87)

今日、近くの阿佐ヶ谷図書館映画会でバグダッド・カフェ」上映、都合も合ったので見てきました。

結構懐かしく、割とインパクトあって好きな方だった作品、その割には詳細は薄れてて、脳裏に残ってるのは、哀愁のテーマ曲「コーリング・ユー」、

+乾いたアメリカの荒野の独特な味わいの風景、そこの質素なカフェに集うアクの強い人々の、ゆるいハートウォーミングな人情、という断片的なもの。


久方に見て、始まって程なく流れた、ジュベッタ・スティールというシンガーが歌ったのだった「コーリング・ユー」は、舞台の荒野や、

旅の途中、その荒野のただ中で夫(ハンス・シュタットルバウアー)と決別、太った身体で一人荷物を引きずって歩く女性、ジャスミン(マリアンネ・ゼーゲグレヒト)の心もとなさ、などにフィットして、やはり印象的。

   

また、ヒロインは、この流れ者の女性だった、それと、そう言えば、大分前この作品を見た後で、同じパーシー・アドロン監督とこの女優マリアンネのコンビ作「ロザリー・ゴーズ・ショッピング」というのもビデオで見たのだった、ということとかも、思い出したり。

その「ロザリー・・」については、どうも輪をかけて、記憶薄れてて、なのだけれど。


10/8追記:この「バグダッド・カフェ」で記憶にあったのは、前述のように、辺鄙な土地、ある店でのアクの強い行きずりの人々達の緩いハートウォーミングな人情もの、ということだったのだけれど、

今回見直して、ジャスミンが、その人柄だけでなく、たまたま夫の車から持ち出してた荷物の中にあったマジック道具、それを”一芸”にして、カフェの人々を盛り上げ、客集めにも貢献、という辺りや、

ジャスミンと、夫を追い出したばかりのカフェの女主人ブレンダ(CCH・バウンダー)や、その周囲の人々との間に友情が生まれた、だけでなく、

彼女をモデルに絵を描いてた画家のルーディ(ジャックバランス)との間に、いつしか愛情も芽生えてた、というのも、すっかり忘れてて、そうだったのだった、と改めて。


終盤、彼女が保安官の咎めを受けて、一旦カフェを去り、おそらドイツに帰国、また戻ってきた時、同じ状況でやってきたのなら、現実的には、また以前のようにカフェで活躍するのなら、同じように労働ビザの問題がありそうな、と一瞬頭をよぎったのだけれど、

その問題の解決方法として、ルーディのプロポーズ、という締めだった、というのも、ここまでのハッピーエンドだったっけ、と改めて。


そういう記憶に新たな、という部分もあるけれど、昔はもう少し、1軒の僻地のカフェでささやかに繰り広げられる牧歌的なおとぎ話的、という印象が強いこの作品だったけれど、

今見て新たに思うのは、このジャスミンという人間の、突如やってきた得体のしれぬ訳あり風の異国人、として、奇異の目で見られながら、発揮していった底力、のようなもの。

ブレンダのはねっ返りの娘フィリス(モニカ・カルクーン)の若い好奇心や、息子サル・Jr(ダロン・フラック)の弾くピアノの価値を認めて、理解を示し、彼らになつかれ、モーテルの部屋にいりびたりになり、

自分を差し置いて彼らを甘やかしてるように見えたようで、ブレンダに、「一体どういうつもり!?自分の子供の面倒を見たら!?」と咎められ、「・・子供はいないの」と静かに答えるジャスミンに、しばらくしてブレンダが「言い過ぎたわ」というシーンや、

ブレンダの留守中に乱雑な事務所を徹底的に掃除、戻ってきたブレンダが、全部捨てた物を元に戻して!と激怒、そうしかけたジャスミンに、やめてちょうだい、と諦め、結局、片付いた環境にまんざらでもなさそうな様子、とか、女同士、人間同士の摩擦も。


でも、彼女にとってはいつまでいるか分からない一時の休息所、のようなカフェ、モーテルでの暮らしだけれど、持ち前のラフな大らかさと良心で、なるべく楽しく、良い時を過ごそうとする姿勢、

埋もれていた天性の資質?もあったのか、多分即席に、玄人並みのマジック、という一芸を身に付けて、カフェに貢献、そこでいつのまにか、実質的に必要な人間、になっていった力。

やはりまあおとぎ話的、ではあるけれど、そういう資質、魅力を、おそらく別れた夫は彼女と積み重ねた生活の中で理解出来ず、または認めないまま、ついに決裂、

新たに出会った芸術家ルーディは、それを認め、自然に惹かれて接近、という、一応ラブストーリーでもあったのだった、と今にして。


「コーリング・ユー」のイメージからして、荒野という舞台での、もう少し切ない後味もある作品、という印象だったけれど、今回、以前の記憶よりは、そういう不意の訪問者、異国人ジャスミンを巡って、

カフェの人々の色んな感情、というものも交錯、漂ってきて、同じ作品でも、時が経ってみて見直すと、後味、残るものも違ってくるもんだ、というのも改めて。


a0116217_3201997.jpg10/9追記:そして、この作品、というと今思うのは、’90年春の2か月程のアメリカバス周遊旅の終盤。

地図で作品の舞台、モハーヴェ砂漠を確かめると、ロスの東、数百キロ辺り。

このカフェはルート66沿い、だったらしく、多分その同じ道、でなくもう少し南だったかと思うけれど、この辺りを、ニューオリンズ~最終目的地ロスへのグレイハウンドバスで、通ったはず、ということ。

その旅の回顧記事でも触れてたように、ここらの荒野を走ってる途中、バスがパンク、しばらく立ち往生、というアクシデント、

ニューオリンズの宿で知り合って同乗したスイス人女性と、荒野に降りて写真を撮り合ったりしたのだったけれど、その時や車窓を撮った写真の内、一番「バグダッド・・」ムードと重なるような、というのはやはり前にもアップしてたもの(↑)。

その時、一時味わうには俗世間離れした異次元、パックリした広大空間に爽快感、だけれど、実際もしこういう場所に一人残されたら、現実的にかなり身の危険、と肌身に感じた覚え。

この作品を見たのは、確かその旅より以降にビデオで、で、旅からやや時も経ってたせいか、当時ドラマニューヨーク恋物語」再放送のように、自分の旅とこの作品を重ねて感慨、という覚えはないのだけれど、

今見て、かつてああいう遠い土地を横切ったことがあった、という経験が、何だか貴重に思えたり、ということも。



そういうプラスアルファの部分もあったり、やはり物語としては、以前見た時の印象とは違う部分、新たに、こういう展開、ニュアンスもあったのだった、という部分も結構あったけれど、

そう変わらなかったのは、やはり「コーリング・ユー」の、この作品テーマ曲としてのしっくりフィット感、そして背景の乾いた風景をある種詩的に見せるような、全体にややグリーンがかった独特の映像、の印象。

久々に見て、なかなか色んな意味で意外と味わいあった作品でした。

関連サイト:Amazon 「バグダッド・カフェ」阿佐ヶ谷図書館 映画会象のロケット 「バグダッド・カフェ」
関連記事:アメリカの旅<11>




by MIEKOMISSLIM | 2013-10-05 23:26 | 洋画 | Trackback(2) | Comments(0)
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