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ターナー展

先日27日(日)、先週予定してて見送った上野での2展、東京都美術館での「ターナー展」と国立西洋美術館での「ミケランジェロ展」に母と行ってきました。

まずターナー展、今回英国のテート美術館から、油彩画30点以上、水彩画、スケッチなど計約110点を10章に分けての展示。


ターナーは、私は今年年頭のメトロポリタン美術館展で、「ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む」を見てて、これは目に留まってカードを買ってた作品の一つ。

個人展としては、その時挙げてたように、’97年横浜美術館での以来。その時も、テート美術館からの出展で、ここは世界最大のターナーコレクション所だったのだったと。

どうも今回、見覚えある画風のはちらほらあっても、明らかにこれは見たことがある、という作品はなかったけれど、手元のカードを見てみたら、今回出展のと重複するのを2枚発見、その時の図録を見たらもっとあるのかも。


a0116217_012585.jpg今回一番インパクトだったのは、4章「イタリア」にあった、「ヴァティカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って回廊装飾のため絵を準備するラファエロ」(カード→)。

ラファエロが、恋人を傍らに自分の作品に囲まれて、ヴァチカンの、サン・ピエトロ広場を見下ろす見晴らしいい回廊で絵の構想を考えてる、

a0116217_093590.jpgこれは丁度ラファエロ没後300年の年に発表されたそうだけれど、

何だかターナーの風景画に、入れられることのある歴史的シーン、の代わりにターナーが敬愛してたらしいラファエロを登場させ、時空を超えたような、ちょっと不思議な印象(←チラシより)。

これは横浜美術館の時の図録にもあって、その時も見てたはずだけれど、どうも覚えなく。


その他目に留まったのは、見覚えあるような、好みのターナー作品タイプの、奥行きある構図+その奥からセピア色調の風景に広がる光、の「レグルス」だったけれど、

ちょっとこの解説を見て、引き気味、カード入手もも見送り。この主題は古代ローマ将軍レグルスが捕えられ、瞼を切り取られ、その後牢獄から引きずり出されて陽光に当たり失明、という伝説で、

その失明の寸前、レグルスの目が陽光に晒される瞬間を描いたもの、とかで、その時レグルスの目が一瞬捕えた光景、のようで、何だか聞くだけで痛々しく、

a0116217_1348653.jpgこういうエピソードを知らなければ、通常に、ターナーらしい好みの名作、と思ったのだろうけれど。

手元のカードに、よく似た構図のがあり、一瞬同作品かと思ったら、それは「カルタゴ帝国の衰退」(→カード)という別もので、「レグルス」の11年前の作品、

まあ比べてみたら、こちらの方が柔らかな光、「レグルス」の方が強い光、なのだけれど。


作品名で目に留まったのは5章「英国における新たな平和」にあった「スカボロー」、独特な形の丘?山?が海岸に切り立ってる地形と共に、これがサイモンとガーファンクルの「スカボローフェアー」の場所か、と。

どこにあるのか知らなかったけれど、今回、会場の作品関連地図で、イギリスの北東部の海岸沿いの町だったのだ、と今にして。

それと、その章にあった、サミュエル・ドジャーズの詩集のための挿絵、だという、細かい水彩の小品の「村、夕暮れ」「逆賊門、ロンドン塔」なども、今まで余り覚えなかったターナーの繊細な味。


あと、9章の「後期の海景画」にあった、「オラニエ公ヴィレム3世はオランダを発ち、荒波を超えて1688年11月4日にトーベイ上陸」というのは、丁度先日、高2の生徒の世界史で、イギリスの名誉革命の時のエピソード、

知らなければ、この長いタイトルも全く?で、何だかビジュアルでの復習、のようだったけれど、解説で確か、実際は到着は5日で、海も静かだった、とかで、絵の内容が、必ずしも厳密に史実と一致、という訳ではないようで。

まあ宗教革命とミケランジェロのシスティーナ礼拝堂との関係にしても、世界史を多少なりともかじることで、芸術作品のバックグラウンドにも絡んでくることがあるものだ、と改めて。


a0116217_1415899.jpg結局後でカードを買ったのは、上の「ヴァチカンから望むローマ・・」の他は、8章「ヴェネツイア」の「ヴェネツィア、月の出」。

これも、ターナーにしては淡い印象〈→カード)。

母が買ってたのは、やはりヴェネツィア風景の、「ヴェネツィア、嘆きの橋」(↓カード)、これもちょっと入手しようか迷った作品。

a0116217_2243819.jpg手元のカードでヴェネツィア風景のは、今回入手のも入れて、今回も来てた、舟や人波が茫洋とた「ヴェネツィアー総督と海との結婚の儀式、サン・マルコ広場」など4枚だけれど、

やはりマイベストは上記のメトロポリタンでの明るい画面の作品。


今回、そう明るい印象の、という作品は少なかったかもしれないけれど、「ポジッリポ通りから望むヴェスヴィオ山とソレント半島半島、ナポリ」という作品は、さすがに南イタリアの場所柄か、明るい画面。

それにしてもターナーは、生まれは理髪店の息子、特に裕福な環境、ではない中、絵の才覚を延ばして頭角を現して、

パトロンの実力者の招きもあって、英国国内のみならず、ヨーロッパ各地を旅しながらの制作生活もしてたようだけれど、

5章「英国における新たな平和」の「トラファルガーの海戦のための第二スケッチ」は、手前の船の人々の混乱ぶりが描かれてて、その解説で、

王室から声がかかっての制作だったけれど、戦勝を謳歌、というより、人々の蒙る危機、混乱、犠牲を描き、王室画家にはなれなかった、のような覚えで、そういうフラットな一面のあった画家だったのだったと。


そういう所で、ダイナミックな海、牧歌的風景、歴史的なシーンや街並みや建造物、ヴェネツィアの独特の佇まい、挿絵の小品にしても、やはり全般的に風格漂うターナー作品群を味わえました。

関連サイト:ターナー展 公式サイト
関連記事:メトロポリタン美術館展 大地、海、空ー4000年の美への旅リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝ラファエロ展と花見 in 上野公園

a0116217_23223098.jpg

                    <ポスター>


by MIEKOMISSLIM | 2013-10-30 00:13 | 芸術 | Trackback | Comments(4)
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Commented by desire_san at 2013-11-01 17:07
こんにちは。
もうターナー展にいかれたのですね。私ままだこれからなので、ブログを読ませていただき、予習させていただきました。久しぶりにタイ規模なターナー展なので、ブログを拝見して楽しみになりました。
私は、やっとミケランジェロ展についてブログに書きました。ご笑覧ください。ご意見などいたただけると嬉しいです。
Commented by MIEKOMISSLIM at 2013-11-01 22:35
desire_sanさん、コメント有難うございます。ミケランジェロ展をすでにご覧だったのですね。私も、このターナー展と同じ日に続いてミケランジェロの方も見ていて、丁度ブログに書こうとしていた所なので、何日か後になるかもしれませんが、自分なりの記事を書いてから、そちらの記事を拝見したいと思います。
Commented by desire_san at 2013-12-13 15:50
MIEKOMISSLIMさん、やっと最近ターナー展に行ってきました。
ターナーの作品は、昨年末のメトロポリタン美術館展で『ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む』を見て、その輝かしい光の表現に感激しました。
今回まとめてたくさんのターナーの作品が見られるということで楽しみにしていましたが、なかなか時間がとれず遅くなってしまいました。しかし、初めて初期から晩年までのターナーの多くの作品を見ることがで、早く来ればよかったと思いました。
まとめてターナーの作品を見ると、ターナーという画家の光と影の部分も見えてきて、メトロポリタン美術館展でヴェネツィアの輝かしい1点の作品を見た時とは違った、ターナーの絵の見方ができるようになったような気がし、新しい発見もありました。

そのあたりも含めて、美術展内の説明とは別の視点もあわせて私なりにブログに整理してみましたので、よろしかったらぜひななめ読みでも結構でのでご一読お願いします。
どんなことでも結構ですから、ご感想、ご意見などブログにコメントなどをいただけると感謝致します。
Commented by MIEKOMISSLIM at 2013-12-14 22:18
desire_sanさん、ターナー展に行ってこらたのですね。私も今年年頭メトロポリタン展で、「ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む」は、晴れやかで印象的な作品の一つだったです。ターナーというと光と大気の画家、のイメージですけれど、今回は若年時からの様々な作品が味わえたですね。後程(後日)そちらの記事も拝見してから、コメント欄に伺います。
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