ユーミンの罪 / 酒井順子(’13)<2>

ユーミンの罪 / 酒井順子(’13)<1>の続き

本人との直接の接点、というのは以前、何度かユーミンDJのラジオ番組で本人やジャニス・イアンの曲などリクエストをかけてもらった、とか、一度少しだけ込み入った恋の相談内容のハガキを読んでくれて、

「この人は自分のことが良く分かってますね・・難しいと思いますけど、幸せになって下さい。無責任ですけど・・」などと答えてくれたこと、位だけれど、

直接の実際のお人柄、などは不明でも、様々な曲にある、そういう微妙な意識、感情を”肯定してくれる”感、というのは、意外と大きなファン要素、とも改めて思う。


そういう意味で、あとがきでの「ユーミンは救ってくれすぎた」という40代の独身女性の声。

確かに私も、ユーミン曲によって、田舎にいながら都会への夢を見たり、実際恋に対してふりしぼる勇気を得たり、失恋の痛手が薄まったり、辛いことより快い思い出が曲と共にフリーズパックされてたり、というだけでなく、

様々な曲が提供してくれる疑似友情や恋愛で、人生の一部をまかなってきてしまったのでは、というようなことも頭をよぎったり。


最初の「ひこうき雲」の章で、>今思えば、ユーミンが見せてくれた刹那の輝きと永遠とは、私達にとって手の届かない夢でした。しかしその時、それらはあまりにも甘く、魅力的に見えたのです。・・

ユーミンに対しては「いい夢を見させてもらった」という気持ちと「あんな夢さえみなければ」という気持ちとが入り混じる感情を抱く人が多いのではないでしょうか。

かくいう私もその一人。ユーミンを聴かずにもっと自分の足元を見ていたら、違う人生もあったかもね、とも思います。

・・しかし、自分の感情と生活が描くカーブと、ユーミンの曲が提示したカーブとがぴったり一致したと誤解できた若い頃。

あのシンクロ感にともなうぞくぞくするような興奮は、今もユーミン曲のイントロを聞くと湧きあがるものであり、その感覚に軽く鳥肌を立てつつ、「これにはとてもあらがえなかった・・」と、思うのです。<

などとあって、まあ人それぞれとは思うけれど、やはりユーミン曲を通してみた夢の影響、というのは私の人生の中でも、決して小さくはない、

大学時代、一時期ボーカルやダンスレッスンに通ったこと、シンガーなど志望には自信がなく、でも音楽関連の仕事に就きたくて、有線会社に入ったこと、結局20代後半に、田舎から単身上京してきて以来東京住まい、ということ、

遅ればせながら、塾講師しつつ一時期デザイン学校のイラスト科に通ったりしたこと、気付けばワーキングシングルであること、その他もろもろの自分の在り方、について、過半数というつもりはないけれど、

自覚的には良くも悪くも30~35%位は、何らかのユーミン(曲)の影響で、ユーミン曲にハマっていなかったら確かに違っていたのでは、という感じ。

音楽の嗜好的にも、ユーミンの前は陽水をよく聞いてたけど、ユーミン関連で好みになったミュージシャンも多いし、あの時ユーミン曲に出会わなかったら、次にどんな音楽にいってたか?だけれど、多分何にせよあれ程の影響、インパクトはなかったのでは、と。


この著者のように、もっと自分の足元を見ていたら・・とも、やはり、とても抗えなかった、というのも、正直な所だし、やはりユーミン曲への愛着は変わらずとも、今と昔では実質スタンスも違うのは確か、

この著者は、こういう本を出しはしたけれど、(以前の)決別へのケジメ、のようなニュアンスも感じられなくはないし、個人的にユーミンとの付き合い、というのも特に見かけないし、もしかして今はユーミン(曲)とは距離を置いてるのかも?しれないけれど、

そういう風にある時期がきて離れていったファン、また往年のファンの2世代目で新たにファンになった層などもいる中、いまだユーミン自身はバブル終焉後の世界でも、走り続けてる、という事実。

私自身は、80年代までの傾倒ぶりに比べれば、やはりこの著者のように、90年代半ば頃からユーミン曲から徐々に疎遠になっていった時期があったけれど、近年また引っ掛かるようになってきて、やはりいいものはいいのだ、という感じ、

まあ後悔先に立たず、だし、今となっては自分の人生の特色の一つとして、それなりに生活の潤いとの一つしてプラス思考で関わっていければ、と改めて思う。


トータル的には、前述のようにユーミン本として、「ユーミンの吐息」を超えはしなかったけれど、女性目線での色々、

改めてユーミンの特に作詞面だけでも、女性の生き方にある意味「罪」と言わせる程の影響力を持ってきた”ただ者じゃない”クリエイター資質、

言われてみればなるほど、という目新しい分析もあったり、漠然と感じてたことが文面で指摘されてて合点がいく、という所もあったり、なかなかユーミン曲生身感、という意味で面白く味わった1冊でした。

関連サイト:Amazon 「ユーミンの罪/酒井順子」Amazon 「ユーミンの吐息 / 深海遙」
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                  <(C)(株)講談社>

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by MIEKOMISSLIM | 2014-09-23 05:48 | 本・音楽 | Trackback | Comments(0)
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’09年1月末AOL映画掲示板、ブログが終了、気分新たにマイペースで、音楽・芸術鑑賞、ユーミン関連、読書、英検1級対策、グルメ、仕事等含めて書いてます。英検は’11年11月に無事合格達成出来ました!


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