2017年 06月 13日
ランス美術館展
これは一度4月に行こうとして体調今一で見送っていて、今月25日までだし、小田急新宿店の鹿児島物産展とセットで、と、決行。<チラシ→>
フランス北西部シャンパーニュ地方ランス市のランス美術館のコレクションから、17~20世紀の約70点を4章に分けての展示。
モネ、ルノワールはなかったけれど、やはり目を引かれたのは印象派。
今回一番インパクト作品は双璧で、3章「モデルニテをめぐって」の、茫洋と伸びるパリの大通りに引き込まれそうなピサロ「オペラ座通り、テアトル・フランセ広場」(カード↓)と、
シスレー晩年の作品らしい「カーディフの停泊地」(カード↓その下)。シスレーの、川の絵は折々あっても海って珍しい、と思ったのだけれど、
後でカード在庫を見たらこの絵のもあって、29枚中海は、これと「ラングラン湾」の2枚のみ。シスレー展でのカードで、この作品は記憶になかったのだけれど、やはり海題材は珍しかった。
ピサロの「オペラ座通り・・」ももしかしてあるか?と見てみたら、色合いは違うけれどまさに同じ絵、ジャポニズム展での「オペラ座通り、陽光、冬の朝」タイトルで発見。
その他、カードを買ったのは、ルイ・パヴィオ「トリニテ広場」(カード↓)。
母がカードを買っていたのは、「トリニテ広場」と、今回ポスターにも使われていた目玉の一つ、ゴーギャンの「バラと彫像」(↓チラシより)。
その他ちょっと目に留まったのは、2章「近代の幕開けを告げる革命の中から」の、面差しがフィギュアの村上佳菜子ちゃん似のエドァール・デュビュッフ「ルイ・ポメリー夫人」、
端正なエキゾチィックさのシャルル・ランデル「タンジールのユダヤの女」。
またこのランス市は、フジタの縁の地でもあり、墓もここにあるそうだけど、4章が「フジタ、ランスのコレクション」で、チラシ(↑一番上)もフジタの「マドンナ」。
フジタ発案の「平和の聖母礼拝堂」のフラスコ画やステンドグラスの写真パネルも結構数があり、フジタ作品は、人物にちょっとクセがあって、特に好みではないけれど、
今回、割と素朴な表情の油彩「ヴァイオリンを持つこども」や、ステンドグラスの中の「聖ベアトリス」の色彩等印象的。
それと、作品には関係ないけれど、ちょっと珍しい光景だったのは、年配のやや恰幅いい婦人の観客の言動。
つかつかと、鑑賞中の父と小学生高学年位?の娘の2人連れの所へ歩み寄って、その父が娘に絵の説明をする声で、気が散って集中できない!旨告げて、
その位のお子さんには、芸術を言葉で説明するんじゃなくて、心で感じさせるのよ!と一喝。
温和そうなそのお父さんは、どうも失礼いたしました、と返して、その後その親子は無言で鑑賞していた、という顛末。
私はその一喝場所から15~20m位の所にいたのだけれど、特にその前に、その親子の会話がうるさい、とは気付かず、言いがかり、と取れば、気の強いお父さんなら、ひと悶着ありえても、というような。
後で母に言ったら、その婦人の言動に、ちょっとそういうのは好きじゃない、と顔をしかめてたけれど、
まあ、この美術館はいつ行っても、上野のようにそう込み合うこともなく、静かに鑑賞出来るのがいい所で、その空気を乱されたくない、という気持ちも判るし、
単純にその父の音としての声が気になったのか、作品解説の内容が、ご自分の感性での鑑賞の邪魔だったのか?不明だけど、
いずれにしても内心ちょっと耳障り、とは思っていても、別に大声で他の無駄話をしているわけでもない穏やかそうな親子に、
実際、うるさい、芸術は心で感じさせろ、と一喝!というのも、なかなかしにくいものかと。
ご自身アーティストなのか、鑑賞好きなだけなのか?だけれど、この婦人のなかなかの気概?エキセントリックさ?が良し悪しともかくちょっとインパクト。
そういう所で、さり気なく印象派画家陣のもあって、なかなか渋く見応えのイベントでした。
関連サイト:損保ジャパン日本興亜美術館ランス美術館展 サイト
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