2018年 01月 15日
君の名は。(’16)
最初の10分程を撮り損ねてしまって、大筋には支障ななそうだけどやや気にはなって、
やはり随分久方にDVDレンタル。<→(C)東宝>
てっきりせいぜい準新作扱い位かと思ったら、いまだに新作扱い!だったのはやや誤算だったけれど、まあ冒頭も判ってスッキリ。
この放映に先立って、新海監督作をその前夜、前々夜に放映してたのに気付いて、点けていつつ一部録画。「君の名は。」以前から名は知ってて、映像が綺麗そうなアニメとは思ってたけれど、直に見るのは初。
何だかジブリっぽいテイストのもあったけれど、短編集の「秒速5センチメートル」、「言の葉の庭」はナイーブな珠玉作っぽく、折あればじっくり見直したい気が。
で、「君の名は。」は序盤、これは懐かしい大林作品「転校生」の現代アニメ版?という感じ。
入れ替わった男女の戸惑いもコミカルで、今時らしいスマホ、アプリフル活用で、急場を乗り切ろうとする現代っ子的に”あり得そう”な描写、
瀧(神木隆之介)のいる東京の、四ツ谷駅とか千駄ヶ谷駅とか総武線、新国立美術館っぽいカフェなどリアルな風景、そこでのレストランでのバイト、食事とかの都会生活、
それと三葉(上白石萌音)がいる田舎ののどかさ、素朴な方言、伝統的な風習とかの対比、
2人がそれなりに入れ替わり生活に順応して都会生活、田舎暮らし体験を味わってるようなポップさ。
1/16追記:話の展開的には、後半スケールアップして、タイムトラベル+惨事で、2人の間の3年のギャップ、というのも含め、
そうだったのか、という、ファンタジーなりの辻褄的に、純愛テイスト絡めて上手く創ってる!という感じ。
でも今一、何故糸守川町の住民が惨事を免れられたか??三葉の友人勅使河原(成田凌)と早耶香(悠木碧)以外は全く隕石落下を取りあおうとせず、
まさにそれが落ちようとしていたシーンで場面転換、状況的にはかなり厳しかったんじゃないか?というのは釈然としなかったけれど、
見かけたノベライズ版の、町長三葉の父(てらそままさき)の決断に至った描写で、その背景、心境とかまあ一応謎は解けたり。
まあ突っ込み出すと、2人が互いのホームタウンをピンポイントで判る??とか、ここで会えるか??
時空のゆがみにしても、え、そういうことも忘れちゃうわけ??とか色々、まあアニメだしSFだし、だけれど、
何となく、このネット社会、匿名での淡い束の間だけの交流、跡にも残らない記憶、みたいな今の空気感も漂ってるような・・
それでも心の芯の部分に刻まれた、ただならぬ経験を分かち合った相手への思い。単なる”幻”だったことにして、通り過ぎることも出来たけれど、三葉を探しに出かけ、
思えば三葉になった自分が糸守町で惨事に遭って、三葉の最初の運命の通りになってしまったかもしれないのに、そういう危険は顧みず三葉と町を救おうとした瀧、
そしてラストの、そのショットは知ってた坂道での互いを認めあうシーン、ああ、ここで「君の名は・・」か、という、妙にストン、と腑に落ち具合。
たとえ相手の名さえ思い出せなくても、情報に溢れた世の中で、誰か、何かを大切に思うことのシンプルな強さ、潔さのような一本の筋が、このイマドキ感漂う描写の中にあったのが良かった、という後味。
それとRADWIMPSというロックバンドの音楽も、素朴なボーカルボイス+勢いあるメロディでシーンの切なさ+ポップ感にマッチしたチョイス、と感心、という久方の作品鑑賞でした。
関連サイト:君の名は。公式サイト、象のロケット「君の名は。」
関連記事:東京タワー オカンと、ボクと、時々オトン(’07)、Little DJ 小さな恋の物語(’07)、風のガーデン(’08)第1話・第2話・第4話・第5話・第6話・感動の後半突入SP・第7話・第8話・第9話・第10話・最終話ナツユキカヅラ、サマーウォーズ(’09)、借りぐらしのアリエッティ(’10)、借りぐらしのアリエッティ(’10)<2回目>、バルトの楽園(’06)、涙そうそう(’06)、ガンジス河でバタフライ(’07)
<アート・デザイン部門>に応募します