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2009年 08月 15日 ( 1 )


サマーウォーズ(’09)

一昨日新宿バルト9で見てきました。「時をかける少女」('06)の細田守監督作品+テーマ曲が山下達郎、という興味のあったアニメ作品。劇場に着いた時次の回は満席、その次も残席わずかで、前から2列目の席にしましたが、久方の劇場満員での鑑賞でした。

「時を・・」はやはりユーミンテーマ曲も健気に歌ってた原田知世の瑞々しさ、オリジナル大林作品(「時をかける少女」('83))への愛着で、という感でDVDでと放映の折に見たのでしたが、現代っ子風躍動感あるヒロイン像にアレンジ、意外と新鮮な魅力もあったのでした。

今回サイバー界を描くめくるめく鮮やかCGに加え、日常世界での舞台の長野の田舎の、手描きののどかな風景はジブリ風味で、クレジットの中に男鹿和雄の名も見かけました。

8/16追記:劇場でのアニメ作品は、思えば私は昨年末の「WALL・E/ウォーリー」、その前はやはり夏だった「崖の上のポニョ」にさかのぼるのですが、自然・日常の素朴な描写や、終盤少女がカリスマ感を持って大活躍、のジブリ風味+今時のサイバー・ゲーム・バーチャルなスピード感覚を加えた、という感触。

冒頭から展開する、サイバー界OZの幾何学的カラフルな映像は、何かに似てる、と思ったら、カンディンスキーの絵、でした。

今回声優陣で、主人公健二の神木君は、最新見かけたのは昨年連ドラ「風のガーデン」での岳役でしたが、劇場では「Little DJ 小さな恋の物語」('07)以来、声優では「千と千尋・・」「ハウル・・」にも出ていたのでした。普段及び腰で女の子慣れしてなくても、数学という一芸持って、折に鼻血を出しながらの奮闘等、ややソフトボイスで、等身大にこなしてた気しました。

ヒロイン夏季(桜庭ななみ)の曾祖母、栄役の冨司純子は、先日見てみた「天地人」にも出てたのでしたが、映画では昨年DVDでの「明日への遺言」('08)以来、アニメ声優は、これが初体験らしく、今回90才という高齢役でしたが、政界まで繋がりあり大家族を締める気骨ある所は、さすがに声のトーンに滲み出てたと思います。

その他、格闘ゲーム王者・サイバー熟練少年佳主馬役は、見ている間は女優声とは思いませんでしたが、後でパンフで見たら谷村美月、劇場ではデビュー作「カナリア」('05)以来、「時を・・」にもヒロイン真琴の後輩役で出てたのでした。

内容については、CGと手描き、のように、サイバー界VSのどかな田舎、無数のアバターの人々VS武士の末裔の一家、降ってわいた人類の危機VS1人の老女の死、個々に活動するサイバー界VS一緒にご飯を食べたりもする現実社会、人工知能モンスターVS花札、大型画面パソコンVSクーラーもない大屋敷、等というように、最新技術VS伝統・変わらない生活、の対比のような感じが、割と印象に残って、

視覚的にも見せる、人情味絡めたアドベンチャー的娯楽作品、ではありますが、改めて、人間社会の中のインターネット、というものについて、一見絵空事のようなネット世界が、実際の現実生活、個人、それぞれの心に投げかける影響、とか、実体験も絡んで、なかなか一言では言いにくいですが、何かと思う所もありました。

8/17追記:サイバーテロを起こした人工知能ラブマシーンに自分のアバターを奪われた、仮アバター姿の健二が「インターネットの中だからと言って、何をしてもいいのか!?」と憤ったり、ラブマシーンに自分のアバターキングカズマを打ちのめされた佳主馬が、PCの前で打ちひしがれ、畳に涙をこぼす姿。その姿への母達の戸惑う様子。やはり、スクリーン上の出来事は当事者でないと判らない痛みも、と印象に残った部分でした。

パンフでは、この作品は、アメリカが想定演習も行った、実際のサイバーテロの脅威からヒントを得たとのことですが、そういう、ライフラインを麻痺させる確信犯的なテロ行為、だけでなく、サイバー界では、個々の人間自体が、本能のままにやりたい放題の怪物、他人の存在など自己満足のためにだけあって、平気でアバター・アカウントを奪い取る、このラブマシーンのような存在、になりかねない無法地帯、とも改めて。実際そういう系統のエキセントリックさ、に辟易した事も少なくありません。

劇中の仮想世界OZには、一応クジラのような2頭の守り神がいて、でも夏季とラブマシーンの花札対決の時に、夏季にエールを送った、位の働きでしたが、その名が「ジョンとヨーコ」というのも、さもありなんでしたが、OZ、という名も、やはりまず「オズの魔法使い」を連想したのですが、

ある記事で、ドロシーが、意図してでなくたまたま嵐で運ばれた家が落ちて、東の魔女を倒して感謝されたように、健二も、たまたま数字の暗号を解いた、という事で、OZ界の混乱の犯人にされたり、英雄になったり、非日常の世界に関わっていくようになった、という共通点が、等という指摘を見かけ、そういえば、ですが、名を借りただけでなく作り手の何らかの「オズ・・」へのオマージュ、もあったのかもしれない、と。

でも当初送られてきた暗号の健二の解読は、最後の1文字が間違っていて不完全だった、ということでしたが、それでも何故、一瞬でも身元も割れ犯人扱いされたのか?やや不可思議でした。

陣内家で、本来注目を集める、栄の曾孫の1人がピッチャーで奮闘の高校野球の地区予選、その試合の様子がTVで淡々と流れ続け、その前で母だけは応援し続けてましたが、そういう日常の様子と同時進行していくサイバーテロ征伐、その結末、人工衛星「あらわし」の末期だけは、サイバー界=現実が直接繋がって、まさに絵空事ではなかった、という瞬間。

舞台の長野の淡い手描き風、大屋敷、縁側、すだれ、賑やかな大家族、食卓、朝顔の花々、朝もや、とか懐かしい風景バックに、健二と夏季というカップルが、お伽噺のようなCGサイバーアドベンチャーに関わっていく、今時の空気+郷愁の人肌感ミックスで、上手く作ってる、とは思ったし、ビジュアル的や人々の団結の盛り上がりで、単純に楽しめもしましたが、サイバー界と現実生活、の事は、また何かの折に関わりもあるかもしれませんが、やはりやや複雑な後味もありました。

あと注目だった山下達郎テーマ曲は、エンドロールに流れたワルツの「僕らの夏の夢」で、作風にあってなくはないという感でしたが、歌い上げるタイプの曲で、もう少しポップな曲調でも良かった気しました。映画での達郎曲、と言えば近年聞いたのは、「天使」('06)で「パレード」が流れたり、「恋愛寫眞」('03)での「2000トンの雨」には、何だか感慨もありました。今回既成曲だったら、「夏への扉」でも良かったと思いましたが、スクリーンで体感の、久し振りの夏の山下達郎、でもありました。

関連サイト:http://s-wars.jp/index.htmlhttp://www.paoon.com/film/gskdlcllev.html
関連記事:「カナリア」('05)天使('06)恋愛寫眞(’03)「Little DJ 小さな恋の物語」('07)時をかける少女(’06)時をかける少女(’97)男鹿和雄展明日への遺言(’08)風のガーデン(’08)~最終話ナツユキカズラトップランナー 細田守

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                <’01年9月、ディズニーシーにて>


by MIEKOMISSLIM | 2009-08-15 00:00 | 邦画 | Trackback(30) | Comments(0)
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「KYOKO」は’02年に映画掲示板にスレッドを立てた村上龍監督、高岡早紀主演映画で、当ブログはそのスレッド、次のブログに続いての3代目です。マイペースで、長年ファンのユーミン関連初め音楽、美術展、仕事、グルメ(食事)、映画、本、日常、旅のことなどアップしてます。


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